2023.03.03
バランスで考える漢方
漢方には、現代医学とは異なる独自の概念があります。
その中でも、漢方を選ぶときに大切な考え方の一つに、「気・血・水」というものがあります。
これは身体の健康状態を「気」というエネルギー(働き)と「血・水」という物質(モノ)のバランスで捉えるという考え方です。
この3つが、①適切な量で、②うまく巡っていると健康で快適に過ごすことができます。
不調はこの量とバランスが崩れた時に起こります。
漢方ではこのバランスを整えることで不調を改善していきます。
気血水の定義とそれぞれの働き
- 「気」 体が正常に働くために必要なエネルギー
- 「血」 血液とその流れ、働き
- 「水」 血液以外の水分全て
◆気の働き◆
- 体に熱を作る
- 血や水(体内のあらゆる物質)を動かす
- ウイルスなど外からの病気から体を守る
- 体に必要なものが外に漏れないようにする
◆血の働き◆
- 全身に栄養を補給する
- 全身を潤す
- 精神活動(考え、思考など)を支える
◆水の働き◆
- 身体の余分な熱を冷ます
- 全身を潤す
不足するとどうなるの?
◆気が足りなくなると起きること◆
身体のエネルギー、パワーが不足している状態なので
- 疲れやすい
- だるい
- やる気が起きない
などの症状が現れます。
また、「病気から体を守る力」や「必要なものを体に留めておく力」が足りないので
- 風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすい(コロナも感染症です)
- 汗をかきやすい
- 夜トイレに起きる
ような症状が現れる人もいます。
◆血が不足すると起きること◆
- 貧血
- 白血球や血小板の減少
- 顔色が蒼白 または薄暗く黄色い
また、「全身に栄養を補給する」力や「潤す」力が足りないので
- お肌の乾燥
- 爪が割れやすくなったり、凹んだりする
- 髪が抜けやすい、細い
- 傷が治りにくい
- 痩せすぎている
- 足が攣りやすい(筋肉の働きにも関係するため)
また、血は精神活動とも関係するので
- 不眠(眠りが浅い、夜中に目が覚める、嫌な夢を見る)
- 動悸がする
こともあります。
ちなみにこれらを「気虚」「血虚」とは言いますが、「水虚」という概念はありません・