アトピー性皮膚炎とサラダ油の関係
私たちがアトピー性皮膚炎で長年悩んできましたので、アトピーの方とそのご家族の大変さはよく分かります。
とくに顔に症状が出ていると人前に出るのも憂鬱ですし、痒みがひどいと仕事にも勉強にも全く集中できず、生活そのものに大きな影響が出ます。
今となっては誰が見ても「アトピーだったの??」と言われるくらい、跡形もなく症状が改善していますが、漢方だけで良くなったわけではなく当然食事の見直しが大きかったのです。
今回は食べる油の種類の「バランス」についてのお話です。
下記は下関市立病院でアトピーに関する大規模な臨床研究が行われ、日本アレルギー学会で発表された内容です。
- 540名の重度のアトピー性皮膚炎の患者が対象
- 病院の薬を一切投与しない
- 脂質バランスの取れた食事を毎日食べてもらうだけ
なんとそれだけで、著効が認められた割合は70%以上、そのうち60%が6か月以内に実感されたそうです。
この『脂質のバランス』を整えた食事というものが、オメガ6の油を極力減らし、オメガ3の油の割合を多くした日本の伝統的和食です。
オメガ6とオメガ3では、同じ油でも体内での働きは真逆になります。
【オメガ6と3の油の違い】
オメガ6の油 | オメガ3の油 | ||
〇 アレルギーの促進 | 〇 アレルギーの抑制 | ||
〇 炎症の促進(赤み 痒み 腫れ) | 〇 炎症の抑制 | ||
〇 血栓の促進 | 〇 血栓の抑制 | ||
〇 血液を固める(血流の悪化) | 〇 血管の拡張(血流の改善) |
つまり、オメガ6の油の摂取を減らして、オメガ3の油を積極的に摂っていくことがアトピー性皮膚炎の症状改善にとって重要なことなのです。
ちなみに、近年の食事の内容の変化から、私たちはオメガ6の摂取が過剰な状態になっています。
【オメガ6の比率が高い食べ物】
クロワッサン | オメガ6 40:3 オメガ3 |
ラクトアイス | オメガ6 60:1 オメガ3 |
カップラーメン | オメガ6 38:1 オメガ3 |
ポテトチップス | オメガ6 73:2 オメガ3 |
【オメガ6が多く含まれる食品】
- サラダ油
- 大豆油
- コーン油
- マヨネーズ
- スナック菓子
- チョコレート
- お煎餅
【オメガ3が多く含まれる食品】
- 亜麻仁油
- エゴマ油
- 青魚(新鮮なもの)
【オメガ6の摂り過ぎで起こる症状】
- アトピー性皮膚炎
- 花粉症
- ぜん息
- 肥満
- 高脂血症
- 動脈硬化
オメガ6とオメガ3の理想的な比率は2:1です。
アトピー性皮膚炎だけでなく、アレルギー性鼻炎でお悩みの方も油の比率を見直すことをお勧めします。
食事療法だけで改善しない場合は、一度ご相談ください。