耳鳴り、めまいを悪化させないための生活習慣
厚生労働省が最近おこなった調査によると、めまいに悩む人の割合は「23.1%」4人に1人、耳鳴りに悩む人の割合は「30.2%」約3人に1人という結果が出ています。これが65歳以上になると、実にめまい→41.5% 耳鳴り→70.0%のもの方が「悩んでいる」というのですから、めまい、耳鳴りは国民病と言っても良いでしょう。
さて、耳鳴りやめまい、というと真っ先に思い浮かべるのは「メニエール病」ではないでしょうか。
メニエール病では、内耳の中を流れる「内リンパ液」の量が増えることで、内耳が水膨れ状態になって起こります。
漢方でも水の巡りを良くする漢方がよく使われます。
ところが、最近ではメニエール病以外での耳鳴り、めまいが急増しています。
耳鳴り、めまいは「年をとれば誰でもなる」わけではなく、最近の研究では真犯人は「動脈硬化」と考えられるようになり、さらに血糖値が高ければ危険度は倍増する、と言われています。
動脈硬化、高血糖・・・つまり、生活習慣病である、ということです。
であるならば生活習慣を少しずつ変えることによって、それ以上の悪化を防いだり、改善をすることも可能なはずです。
実際、自分でもできるセルフケアもあります。
①まずは禁煙・・・動脈硬化は活性酸素によって血管が慢性的に炎症状態であることから発症します。さらに喫煙をすることで全身の血管が収縮してしまい血液の流れが悪くなり耳鳴り、めまいを増悪します。
②血糖値をうまくコントロール・・・空腹時に甘いお菓子、菓子パン、ジュースなどは控えておやつにはナッツなどを食べましょう。量は片手に乗るくらいが目安です。できればお米も白米よりは玄米、(だと美味しくない方は5分づきから7分づきにして)パンも全粒粉や胚芽パンを選びたいところです。
③適度な運動とストレス解消・・・キーンという高温の耳鳴りがしたらストレスからくる耳鳴りかもしれません。
ストレスは自覚しないうちに溜まっていくものです。
食事が美味しくない、喉がつまる、胸が痞える、よく眠れない、いやな夢を見るなどのサインがあったら、いつもよりゆっくり過ごしたり、好きなことをしてストレスが溜まり過ぎないようにしましょう。
ところで、生活習慣、食習慣の改善は言うほど簡単ではありません。
さらにこれまで何十年と蓄積した結果、耳鳴りやめまいが起こっているわけですから、生活週間を変えただけでは改善することは難しいものです。
漢方はそのような「長い間かけて少しずつ悪化してしまった症状」の改善に最適です。
耳鳴りは耳の細胞の劣化もかかわる場合があり、漢方だけで完全に改善するというのは難しいのですが、「耳鳴りが気になって眠れない」というレベルの耳鳴りを「意識しなければ」あるいは「疲れた時だけ」耳鳴りが聞こえる、というレベルまで改善することは可能です。
この場合は動脈硬化の原因となる血栓の発生を抑えたり、末梢の血流量を増やす漢方や、老化をゆっくりにする補腎薬などを使います。
また、めまいはその方にあった漢方を2ヶ月ほど飲んで頂くと7割くらいの確率で改善していきます。
この場合、水の巡り、気の巡り、血液の巡りのどこに問題があるかによって、その方に適した漢方をお勧めしていきます。
ちなみに耳鳴りは早ければ早い程(自覚してから3ヶ月以内)、治療効果がはっきりと表れます。
気になったらなるべく早めに一度ご相談にいらしてくださいね。